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著作権法違反になる事例とは?違法アップロード、無断転載、引用に注意!

漫画作品を違法アップロード・無断転載しているのを指摘され、

 「自分が電子版で買ったものを他人に共有しているだけ。ジャンプを友達と回し読みするのとどう違うんだ!」

と逆ギレしている人がいました。

これはもちろん著作権法違反に当たりますが、著作権のことをよく知らない方のためにも、ここで詳しく解説しておきたいと思います。

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著作権とは、作品の扱いを自身で決められる権利

著作権とは、作者の思想や感情が表現された文芸・学術・美術・音楽などの作品について、創作した人が作品をどう扱うかを自身で決められる権利のことです。

多大な努力の積み重ねの上に作られた作品を他者に流用されてしまったら、作者は創作意欲をなくし、文化の発展を阻害してしまうことでしょう。

だから、著作権は守られるべき権利なのです。

 

著作物の例

著作権法に基づく著作物には、次のようなものが挙げられます。

  • 小説や論文などの言語
  • 音楽
  • 絵画や彫刻
  • 城や宮殿などの建築物
  • 地図や地球儀
  • 映画や写真
  • コンピュータープログラム
  • 著作物を翻訳した本などの二次的著作物
  • 辞書などの編集著作物

どれも「作者が創り上げた作品である」という点では同じですね。

著作権侵害の具体例

ここからは、実際によくある著作権侵害の事例を4つご紹介します。

著作権侵害の例1)電子書籍の違法アップロード・無断転載

冒頭で紹介した事例です。

漫画作品を違法アップロード・無断転載しているのを指摘され、

「自分が電子版で買ったものを他人に共有しているだけ。ジャンプを友達と回し読みするのとどう違うんだ!」

と逆ギレしている人がいました。

これはもちろん著作権法違反に当たります。

 

漫画データをコピーして「複製権※1」を侵害し、ネットにペーストして公衆送信権※2」を侵害する。

自己利用のための複製は認められるものの、例え自分が買った電子書籍だろうと著作権者の許可なく外部に公開することは明らかに違法行為です。

友人間の回し読みとは根本的に違うといえます。

 

※1 複製権ー著作物を「形のある物に再製する」(コピーする) ことに関する権利
※2 公衆送信権ー著作物を公衆向けに「送信」することに関する権利

著作権侵害の例2)無料公開作品のコピー・無断転載

「出版社の漫画アプリで無料公開されてる作品なら、コピーしても誰も困らないじゃん」

という人もいましたが、出版社側は原稿料に加え、閲覧数などに応じて作者に「自腹で」お金を払っています。


作品や雑誌、アプリを広めるための広告宣伝費のようなものですね。

無断転載を赦す理由には一切なりません。

著作権侵害の例3)引用文だらけのブログ

「引用なら許されるんでしょ」

と言わんばかりに、全ページを引用元を明記した上で転載しているブログなどを見かけることがあります。

法律上は「自身の著作物の従たる範囲を超え」たものは引用とは見なされません。

無断転用はあかんで

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ただし簡単に言うと、自身の著作物と比較して(分量などの点で)度を超えた引用は、もはや引用とは言いません。アウトです。

著作権侵害の例4)テレビ番組画面の違法アップロード

テレビ番組の画面を小さくして動画にし、YouTube等でそのまま投稿している人がいますが、これは余裕でアウトです。

これに至っては引用ですらなく、単なる他人の作品のタダ乗りであり、悪質極まりない。

とくに大きなスポーツの大会の後には、中継の無断アップロードが横行します。

便利ですが当然やってはいけません。

最後に:コンテンツへのリスペクトを忘れてはいけない

著作権が軽んじられ無断転載が横行するのは、コンテンツへのリスペクトが足りないことも一因でしょう。

 

イラストレーターに「簡単でいいから無料で描いてよ」と簡単に言う。

頼む方は「数分で描けるのだから」と思うかもしれないが、数分で描けるようになるために何年もの積み重ねがあることを忘れてはいけません。

 

実は私は、弁護士になる前に舞台演出をやっていました。

舞台という限られた世界ではありますが、作品作りにずっと関わってきたからこそ、創作活動をする人たちがどれだけ努力しているかも、権利を踏みにじられる悔しさもよく知っています。

というか、それが弁護士になりたいと思ったきっかけの一つでもあります。

 

ぼくたちの生活は様々な文化によって豊かになっていますが、

面白い記事や動画、漫画や小説。

これらは、多くの人たちが長い間、創意工夫し生み出してきた成果なのです。

 

コピペが容易になり著作権がないがしろにされがちになっていますが、本来こんなことはあってはなりません。

著作権に対する意識が少しでも改善されていったらいいなと願っています。